プログラマの労働条件を過酷にしているのは、過酷な労働条件を受け入れるプログラマです


過酷な労働条件を受け入れるプログラマというのは、ダンピングをしています。
つまり、労働力の不当な安売りです。


本来、プログラマは、サービス残業を強要されたら、それを拒否すべきです。
あらかじめ無理なスケジュールだとわかっているプロジェクトも、拒否すべきです。
安い賃金で働くことも拒否すべきです。


それらを拒否せずに、受け入れるプログラマが多いから、他のプログラマまでそれらを受け入れなければならなくなるのです。


もちろん、見積もり段階では十分な余裕を見ていたのに、予想もしないトラブルが発生して残業や休日出勤する分には仕方がありません。
しかし、はじめから無理なことが分かっているプロジェクトを引き受けるのは、話が別です。


もし、ほとんどのプログラマが、無理なスケジュールのプロジェクトを拒否するのであれば、無理なスケジュールのプロジェクトを拒否することで会社をクビになることも昇進で不利に扱われることもなくなるはずです。


結局、サービス残業や無理なスケジュールのプロジェクトを受け入れてしまうプログラマは、「抜け駆け」をしているのです。ズルして、会社や上司にこびを売っているようなものです。
これはダンピングです。不正競争です。


プログラマは、いつでも転職の準備をしておくべきです。
そして、無理なスケジュールのプロジェクトやサービス残業を拒否することで不利な扱いを受けたら、さっさと転職すべきです。
また、過酷な労働条件で働く意思はなく、それを無理強いするならいつでも転職する、という旨を、あらかじめ上司や会社側に通告しておくべきです。


結局、プログラマの労働条件を過酷にしているのは、そういう悪質な抜け駆けプログラマなのです。


なにより問題なのは、そういう抜け駆けプログラマは、無理なスケジュールのプロジェクトを引き受ける自分を、いい人だと思っていることです。
そういう人は、いい人なんかではありません。
プログラマの過酷な労働条件を作り出しているのは、そういう抜け駆けプログラマなのですから、いい人どころか、極悪人です。


また、プログラマは、自分の承認なしに営業や上司が勝手に引き受けたプロジェクトには、締め切りに責任は持たない、ということを、あらかじめ会社側に明確に通告しておくべきです。


多くのプログラマの労働条件を悪化させているのは、そういう風に、自分の労働条件を守るために、やるべき交渉をやっていないプログラマたちなのです。


また、プログラマの賃金を安くしているのも、自分の能力に見合った給料を要求しないプログラマです。
とくに、大手ソフトメーカーなどの若手の有能なプログラマで、年収700万円に匹敵する仕事を、年収400万円しかもらわずにやっている人がよくいます。
そういう人は、労働力のダンピングをしています。
ダンピングをするプログラマは、プログラマ全体の賃金を安くしてしまいます。


大手ソフトメーカーにいるエース級のプログラマは、さっさと自分の能力に見合った給料を出す外資系もしくはベンチャーに転職すべきです。
また、有能なのに安い給料で働いているプログラマを見かけたら、見合った給料をもらえる会社に引き抜くべきです。
有能なプログラマがどんどん転職していけば、日本の大手ソフトメーカーは、人材がスカスカになるのを恐れて、有能なプログラマの賃金を、それに見合ったものにせざるを得なくなるはずです。


結局、プログラマを過酷な労働条件と安い賃金に追いやっているのは、有能なのに安い賃金で無理なプロジェクトを引き受けるダンピングプログラマなのです。


世界史を勉強すれば、この「抜け駆け」こそが、搾取と隷属を作り出してきたことがよく分かります。
とくに、「抜け駆け」を利用した間接統治は、白人が有色人種を支配し搾取する時の常套手段です。
ラテンアメリカでも、アフリカでも、まず、現地の有色人種のうち、抜け駆けして白人に媚びを売った有色人種に特権的な地位を与えます。
そして、その特権的な有色人種に、他の有色人種を支配させるのです。
そして、支配される有色人種には、「抜け駆け」して白人政権のために働けば、オマエも特権的な地位に就けてやるぞ、とささやくのです。


そして、これはあなたが将来会社を経営し、従業員を搾取しようと考えているなら、そのときに使える有用なテクニックでもあります。
社員を正社員と非正規雇用に分け、正社員に特権的な地位を与えるのです。
そして、その上で、非正規雇用の派遣やバイトでも、「抜け駆け」して過酷なダンピング労働をすれば、オイシイ正社員の地位につけてやるぞ、とささやくのです。
正社員も、「抜け駆け」した者から先に昇進させます。
まさに、数世紀ほど前に白人たちが南米やアフリカやアジアでやった植民地搾取と同じテクニックです。
その有効性は、歴史によって実証済みです。


だから、不正競争という「抜け駆け」をするプログラマは、自覚のあるなしに限らず、そういう種類の裏切り者なのです。


ちなみに、私がプログラマだった頃、上司にサービス残業を強要されたときには、断固拒否しました。
睡眠不足になるほど無理な残業をしたことはほとんどありません。
有給はほとんど全部消化しました。
ついでに、ネクタイをするのも拒否しましたが、それは別に拒否しなくてもいいです。
給料の安い有能なプログラマを引き抜いて、倍の給料をもらえるポジションにつけたこともあります。


そして、私が経営者サイドの人間になったときは(ry