企業と金持ち「だけ」から税金を取るようにしてみてはどうか


企業収益は5年連続増益なのに、民間給与は8年連続減少しています。
大企業が国家予算の2.5倍、204兆円ものお金を貯め込む一方で、労働者の賃金は下がり続け、格差と貧困がどんどん広がっています。


なのに、現状では、
企業の7割は法人税を支払っていません
これは、現在の法人税額の算出方法に起因します。


この状況を打開するため、
低中所得者にかかる税金を全て廃止し、法人税の大増税
行ってみてはどうでしょうか。


具体的には、以下のような税制改革を行います。

●消費税は、廃止する
所得税は、年収750万円以上の人だけから徴集する
●企業から、法人売上税*1を徴集する
●企業から、法人所得税を徴集する
●企業から、法人雇用税を徴集する


なぜ、7割もの企業が法人税を支払わないのかというと、
現状の法人税は、企業の「所得」に対してかかる税金だからです。
企業は、さまざまな合法的な節税努力をすることで、見かけ上の利益を減らすことができます。
だから、多くの企業は法人税を回避することができてしまうのです。


企業にこれをさせないために、
企業の「売上」に課税する分を増やします。
これが「法人売上税」です。


利益は経理操作で誤魔化しやすいですが、
売上を誤魔化すのは、それよりもはるかに困難です。
このため、法人売上税を導入することで、
ほぼ全ての企業から法人税を徴収することができます。


ただし、法人所得税は、
儲かっている企業からより多くの税金を徴収する、
というコンセプトの税なので、それも残します。


また、法人雇用税は、企業が人を雇うときに支払わなければならない税金です。
年収750万円未満の労働者が納める所得税が払われなくなると、
国家財政に大穴が開いてしまいます。
このため、その分の税収を企業が負担するようにします。
たとえば、「年収300万円の人を雇うと、
年に20万円の法人雇用税が企業から徴収される」
といったようにです。
社会保険の方では、既に似たようなシステムがありますので、
その税金バージョンのようなものです。
これが、法人雇用税です。


こうすることで、
企業が支払う税金が巨額になる一方で、
年収750万円未満の人は、税金を払わずに生活できます。


こんな、企業と金持ちにだけ重税を課すような税制にしたら、
企業と金持ちが、海外へ逃げてしまわないでしょうか?


しかし、その心配はいらないんじゃないですかね。
企業や金持ちの多くは、税を支払う人と負担する人が別であることぐらい分かってるでしょうから。*2



また、「企業が支払う税金が低い国ほど経済が成長するというデータがある」、
と主張する人もいますが、それは誤りとは言わないまでも、
ミスリーディングな表現だと思います。


より正確で、誤解を招かない表現をするなら、
法人所得税が低いほど経済が成長する」と言うべきでしょう。
すなわち、法人が納めるべき税の算出式の問題であって、企業が政府に納める税金の額自体の問題ではないのです。
企業がいまの3倍の税金を納めたとしても経済成長を阻害しないような税のかけ方というのが有り得ないとはいえないのではないでしょうか。

*1:仕入れにかかっている売上税は控除される

*2:もちろん、税率改訂時の価格硬直性のコストを企業が負担するなど、考慮すべき点はある。